こんにちは。
本記事では2024年(12月2日までに)に読んだ小説の中から、
面白かった小説ベスト10を発表します。
過去に発売された本や一度読んだこともある本も含めて、
私が2024年に読んだ小説の中からベスト10を選んでみました。
ただ今年初めて読んだ本をできるだけ上位に、既読再読を下位にはしています。
- 1位『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』増田俊也
- 2位『琥珀の夏』辻村深月
- 3位『冬期限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信
- 4位『ちぎれた鎖と光の切れ端』荒木あかね
- 5位『体育館の殺人』青崎有吾
- 6位『ラッシュライフ』伊坂幸太郎
- 7位『奪取』真保裕一
- 8位『天空の蜂』東野圭吾
- 9位『火車』宮部みゆき
- 10位『64(ロクヨン)』横山秀夫
1位『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』増田俊也
『七帝柔道記』の待望の続編の『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』。
作者の増田俊也さんの自伝的小説で北海道大学柔道部が舞台になっている。
今作では北海道大学三年目、四年目の柔道部上級生時代が描かれていて、
特に四年目の七帝柔道は感涙必至。
柔道に詳しくなくても、青春小説を読みたい方にはおすすめの一冊。
もっとも、もし読む場合は一作目から読むことをおすすめする。
2位『琥珀の夏』辻村深月
「ミライの学校」というカルト的団体を舞台に、
関わった人間たちの成長と失敗が描かれている。
一応ミステリー要素いうか物語のフックとして、
冒頭で見つかった白骨死体は誰のか?というものがあるけれど、
何よりも素晴らしいのは登場人物たちの繊細な心理描写が特に素晴らしかった。
3位『冬期限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信
四季四部作のラストを飾る米澤穂信さんの『冬期限定ボンボンショコラ事件』。
今作では小鳩常悟朗が轢き逃げ事件に遭い、病院に入院してしまう。
そしてこの轢き逃げ事件の犯人を小鳩に助けられた小佐内ゆきが捜すことになる。
しかし小説で主に描かれているのは三年前に同じ堤防道路で
轢き逃げ事件にあった日坂祥太郎の話。
三年前ということで小鳩と小佐内の中学時代の活躍が描かれている。
推理小説としてはロジカルさは相変わらずで、
中学時代の小鳩と小佐内の活き活きとした一面を楽しむことができる。
4位『ちぎれた鎖と光の切れ端』荒木あかね
本書は二部構成で、
島に渡った八人のうちの一人である樋藤清嗣は、全員を毒殺するつもりだったが、
何者かが樋藤に先駆けて殺人を犯していく。
その樋藤が探偵役として真犯人を探し出そうとするのが第一部で、
第二部は当然ながら第一部と関係性があるけれど、
これは読んでのお楽しみということで、
この構成の巧さも含めてかなり面白かった。
5位『体育館の殺人』青崎有吾
青崎有吾さんのデビュー作であり、裏染天馬シリーズの第一弾。
基本的には完全に推理に特化した小説で、
小説を読んで文章からロジカルに事件を推理したい方向けの一冊。
最後の推理パートの前に「読者への挑戦」があるのも、
テンションが上がる要素としてかなり良かった。
6位『ラッシュライフ』伊坂幸太郎
小説の群像劇で検索すると結構おすすめされることが多いのが
五人の登場人物たちの群像劇で、不思議な登場人物たち、ウィットに富んだ会話、
先の読めない展開になっている。
伊坂さんらしい仕掛けもあっておすすめの一冊。
7位『奪取』真保裕一
真保裕一さんの『奪取』。
こちらは1996年に発売された本なので、かなり古いけれどそれでも面白かった。
偽札作りが本作のテーマで、
特に第一部の偽札作りのアイデアはかなり面白いものになっている。
コンゲームの要素もあって、上下巻とボリュームはたっぷりだが、
テンポよく物語は進むので非常に読みやすいものになっている。
8位『天空の蜂』東野圭吾
高速増殖炉に巨大ヘリを墜落させられたくなければ国内にある原発を全て止めよという
要求が出され、巨大ヘリの設計者や警察、自衛隊員の活躍を描いた
東野圭吾さんの『天空の蜂』。
原発を扱っていることから社会派的な要素もありつつ、
アクションやミステリー要素もあり、
しかもスケールが大きい小説は東野さんの中でも珍しい部類になっている。
こちらもかなり古い本だけれど、今読んでも十分楽しめるはず。
9位『火車』宮部みゆき
休職中の刑事・本間俊介が、突如失踪した人物の行方を捜すことになったが、
その人物は実は別人が入れ替わってっていたというもので、
彼女たちの人生を本間たちが追跡することになる。
カードローンや自己破産などの社会派的要素もありつつ、
徹底的に「人」を描いたミステリー小説で、
まだ読んだことがない方には是非読んで欲しい一冊。
10位『64(ロクヨン)』横山秀夫
警察の管理部門の人間が主人公で、広報室と記者クラブの対立が描かれている。
しかしそれだけではなく、ロクヨンと言われている昭和64年に起きた
未解決の幼女誘拐殺人事件が大きく関わってくる。
管理部門の主人公なのでどうしても地味な小説になってしまうところを、
未解決の幼女誘拐殺人事件が関わってくることによって
人間ドラマと謎が融合した最高傑作の警察小説になっている。